その辺の問題

「どうして俺は働いているんだ」と自問自答しながらも、なんだかんだで今日も働いている。ただ、いつでも辞める覚悟だけはできているので、カバンの中には常に辞表を忍ばせてある。日付の欄だけ空白にしてあるので、いざ提出となった時は提出日だけ記入すれば30秒で完成する優れ物である。退職理由については、素直に「もう飽きた」と書きたい所だが、一応社会人らしい理由にする為「体力の限界、気力も無くなり、退職することとなりました」と、天下の大横綱である千代の富士の引退理由を使わせて頂いている。
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今の職場で働いていて辛いことと言えば、夏場に外から侵入してくるセミへの対処である。虫が大嫌いな私にとっては悪魔の襲来であるので、バイトとのミーティング時は「セミが出た場合はあなた達を見捨てます」と、昨今の政治家にも見習って欲しい明確さで自分の意志を打ち出している。セミが出た場合は、先ほどの宣言通り事務所内に閉じこもり、ドアの下から三千円をスッと差し出し「あとはよろしくね」という大人の対応を取る。さっきまで「助けてくださいよ!ひどいですよ!」とドアをノックしていたバイトが「頑張ります!」と力強い声でセミに立ち向かっていく。私はバイトとセミの戦いを監視カメラで見守りながら、安全な事務所内のパソコンでソリティアを遊ぶ。これが社会人だ。俺はここまでのし上がったのだ。
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セミの襲来より嫌なのが、会社から年に一回の受診を義務付けられている健康診断である。病院に行くこと自体は嫌いというより好きな性質なのだが、どうにもこうにも採血検査が苦手なのである。私が軽い先端恐怖症というのもあるが、少しの時間でも注射針という異物が自分の体内に入っている感覚が、とにかく気持ち悪い。単純な痛みではなく精神的な理由なので始末におえない。
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今年の採血検査も大変だった。まずは担当の看護婦さんの名札をチェックしたら「藤田」と苗字しか書いていなかったので、すぐに下の名前の「由美子」を聞き出す。自分の血を抜く人間の名は下の名前まで知っておきたい。戦国時代、自分の首を切られる前に、相手の名前を聞いてから心置きなく首を切られた戦国武将と同じ心意気である。そして問診へ。「藤田さんは僕で今日何人目の採血なのか」「単純に採血は得意なのか」「看護婦何年目か」「今日の藤田さんのバイオリズムはいかがですか」と矢継ぎ早に質問を投げかけ、藤田さんという人のことを少しでも知って信頼関係を築く。その上で「いざ!」と気合を入れてから採血へ。「セミのあの尖った口で採血されないで・・・ちゃんと注射針で採血してもらえるだけ・・・僕は幸せ者ですよね」と言っているうちに無事に採血は終わった。映画「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」で、主人公の少年が満天の星空を眺めながら「人工衛星に乗せられて死んだライカ犬より、僕のほうがまだ幸せだ」と言う場面があるのだが、あの時の少年の気持ちが私にはよく分かる。私には何でも分かる。
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何とか採血に強くなれないか色々と考えてみた。自分だけ血を抜かれるという不公平さが嫌なので、私の血を抜く看護婦も、私と同時に血を抜かれるというシステムを取ってくれないものか。そうだ、もう一人看護婦を呼んでもらおう。いや、せっかくもう一人看護婦が来るのなら、その看護婦に私の手を採血中ずっと握っていてもらいたい。いや、男は手を握ってもらうぐらいで勇気なんぞ出ない。最悪フェラチオ、出来るなら挿入させては頂けないものか。私が体内に注射針を入れられるのと同じタイミングで、私もチンコを口か女性器の中に挿入できれば、立場的にイーブンな状態なので心の平静を保てそうだ。掛け声は「いっせーの!」で。だが、看護婦は天使では無いのでそんなことはしてくれないだろう。そうなるとこっそりと採血中にオナホールを装着するしかない。その場合はせめてものエチケットとしてオナホールに病院の十字マークを貼っておくことにしよう。
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勤務中にこんなことばかり考えてるうちに、そんなこんなで今の職場で働き出してから三年目の夏が終わった。私がセミ退治を強要したおかげでバイトが辞めたわけではなく、単純な人手不足でほとんどの時間を職場で過ごした夏だった。仕事以外では家で筋トレを始めた。リラックスした環境で筋トレを行う為に、筋トレ中は部屋でお香を焚いていた。私はスクワットが嫌いなので、何とか楽しくスクワットをできないかと考えた結果、全裸になり、床に置いたお香焚きの上でスクワットをすることで、筋肉を鍛えると同時に陰部に当たるお香の煙で、己のチンコとアナルを良い匂いにするという一石二鳥のオリジナルスクワットを開発した。
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アナル周辺から良い匂いがすることは自分への自信につながる。自信が付いたら誰かに自慢したくなる。良い匂いのチンコとアナルを自慢できる相手は風俗嬢しかいない。私は風俗街に繰り出した。いつものように「ガーネット・クロウのボーカルによく似た女の子居ませんか?」とリクエストしたがあえなく撃沈。岩崎ひろみによく似た風俗嬢に事情を説明すると、話の分かる女の子で「嗅ぐ!嗅ぐ!」と彼女は私の陰部にボスッと顔をうずめた。そして「すごく良い匂いだよ!」とはしゃいでくれた。「この匂いすごく好き!私も買おうかな・・・なんて名前のお香?」と聞かれたので「・・・・・・ヒマラヤ」と答えた。私に続いて彼女も「ヒマラヤ・・・・・・」と言った。風俗のプレイ中に「ヒマラヤ」という単語が2回出たのは史上初ではないか。ひとしきり匂いを楽しんだ後、私のチンコを口でくわえこんだ彼女は、素晴らしい舌技で私を攻めた後に「良い匂いがしてもしなくてもチンコはチンコだね!」と言った。すごく深い言葉だ。この夏一番の素敵な言葉頂きました。
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そんな2015年の夏だった。ここ最近、私が自殺するんじゃないかと心配してくれる人が多いのだが、プロレスラーは死んじゃいけないのでプロレスファンも死んじゃいけないのだ。だから私は死なない。


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# by tsume_kirio | 2015-09-11 08:54 | 仕事 | Comments(3)

我が家を定期的に訪問してくれていたエホバの証人が新しい人に代わった。前任のおばさんは森昌子によく似た儚げな佇まいが素敵だったのに、新任は女子プロレスラーのハーレー斉藤によく似た派手な短髪おばさんになってしまった。やはりこの世に神は居ないらしい。

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私は無宗教であり宗教自体にも何の興味が無いのだが、雑誌や包装紙等の紙の匂いが大好きな人間として、エホバの証人が毎回持ってきてくれる会報誌の紙の匂いと質感はパーフェクトだった。そんな素晴らしい物をタダで届けてくれる御礼にと、彼女の話を真剣に聞いてあげていたら、これは脈ありと感じたのか定期的に訪問してくるようになった。しかし、子供の頃、新興宗教に染まっていた隣家が柿や無花果を「神の実」と呼んで庭で育てているのを知り、全ての神の実をエアガンで撃ち落して遊んでいた私がおとなしく話を聞き続けるわけもなく「相手の技を受けて心肺停止状態になりながらも蘇生したプロレスラー馳浩は、死後復活したとされるキリストと同じとは言えませんか?髪型もキリストヘアーだし」という独自の「馳=キリスト論」を叩きつけたり、宅配ピザの到着を待っている時に訪問を受けた際は「ではピザが届くまでの少しの時間、神の話とやらを聞かせてもらいましょうか」というような大変失礼な態度を取っていたにも関わらず、彼女は根気強く訪問を続けてくれた。

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そんなけなげな彼女の姿勢に軽く欲情してしまった私は、合法的に彼女に触れる為、宗教に嵌っている人ならこう言えば受け入れてくれるだろうと「私は今とても寂しくてたまりません。あなたを抱きしめてもいいですか?」とハグをお願いしたことがあったのだが、彼女は今まで見たこともない真剣な表情で「あなたはそんなに寂しさを感じていないはずです」と言い放った。自分の全てを見透かされた気がしてとても恥ずかしかった。そんなたくさんの思い出がある彼女ともう会えなくなるんだなと思うと胸が痛くなった。これは何年ぶりかに感じる「寂しい」という感情だ。しかし、いつまでも悲しんでるばかりでは、こんな私とちゃんと向き合い続けてくれた彼女に悪い。これからはハーレー斉藤と素敵な思い出を作っていこう。



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夏です。






宗教をしている女性との思い出は他にもある。九州の大学に通っていた時にお付き合いをさせてもらったヤリマンが、家族ぐるみで怪しい宗教をやっていた。その宗教の主な教えは「毎朝5時に起きてをお祈りをする」「ふすまや障子の敷居は神聖な物なので絶対に踏んではいけない」「鳥類はペットとして飼ってはいけない」といういかにもカルト宗教なものだった。彼女はひろみという名前だったのだが、自分のことを「ヒロン」と呼ぶように求めてきた。宗教上の教えで最後に「ン」が付く名前が縁起が良いからだそうだ。「ヒロン」というよりは「バロン」と呼んだ方がしっくりくるヤリマン顔だったのだが、ご機嫌を取るために「ヒロン」と呼んでいた。性欲盛んな大学生の男にとって、ようやく手に入れた自由にセックスができ、しかもスケベとくる彼女は、ヤリマンだろうが、自衛隊3人と4Pしていようが、怪しい宗教に染まっていようが手放すことができない貴重な存在だった。さらに初体験が車椅子の女性だった私にすれば、ようやく二足歩行ができる女性とセックスできるのだから尚更離したくはなかった。私はガンタンクよりガンキャノンとセックスがしたかったのだ。
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そんな彼女の全てを許し続ける私なら大丈夫と思ったのか、信仰する宗教の総本山に参拝に行くので一緒に行かないかと誘われた。さすがに少し身じろぎもしたが、総本山という言葉の魅力的な響きに負けて同行することにした。所詮カルト宗教の総本山なんてたいしたこと無いだろうとたかをくくっていたら、総本山と呼ぶのにふさわしい大きな大きなお寺が目の前に現れた。城門のような壮大な門を通って境内の中へ。悪戯心に火がついた私は門の敷居を思いっきり足で踏んでみた。その瞬間、先ほどまで笑顔で出迎えてくれていた信者達の顔色が変わり、この場でリンチされるのではないかというような物々しい雰囲気で取り囲まれた。「もはやこれまで」と覚悟を決めた私は、どうせやられるなら使いたかったプロレス技を全て繰り出して死のうと、最初に突っ込んで来た信者に橋本真也の水面蹴りをかます心意気で睨み合った。その雰囲気を打ち破ったのは「彼はまだ済まされていないのです!」というヒロンの大声だった。その言葉を聞いた信者たちは「済まされていないなら仕方がないですね・・・」と私を許してくれた。無事に門をくぐった後「済まされてないって何?」とヒロンに問いかけたが無視された。
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簡単な受付の後、ヒロンと一緒に三畳半程の小さな部屋に入れられる。「これは・・・いよいよ済まされてしまうのか?」と緊張する私の前に柔和な顔立ちの男性信者が現れ、優しい口調で自分達の宗教について丁寧に説明してくれた。「それでは御本尊として崇められている現人神様からのメッセージを見てください」と備え付けのテレビのスイッチをON。画面に現れた十勝花子によく似たババアは「光」とか「救い」とかいかにもな話をするのだが、明らかにカンペを読んでいることが分かる俯きがちな目線がとても痛々しく、私はただただ悲しい気持ちになった。VTR終了後、神妙な顔で「実は・・・このメッセージを撮影された3日後に現人神様は交通事故で天に召されてしまいました・・・」と信者が言った時は笑いを堪えるのが大変だったが、現人神が交通事故に遭って「ギャー!」と言っている様子を頭の中で想像したら堪えきれずに結局笑ってしまった。部屋を出た後、教師役の男性信者から「これであなたは半分は済まされましたからね!」と声をかけられた。もうこれ以上私を笑わさないで欲しかった。
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帰宅前に、祈祷をする為に本堂へと通された。本堂は中央に白塗りの賽銭箱が置かれ、その上に巨大な釣鐘が設置されているという異様な光景だった。信者達はお布施を入れた後、その鐘を鳴らしてお祈りをするという流れだった。しばらく観察していると、人によって鐘を鳴らす回数が全然違うことに気づいた。「鐘を鳴らす回数は自由なの?」とヒロンに聞くと「たくさんお布施をした人は鐘を鳴らせる回数が多くなるのよ」と教えてくれた。なんて単純で素晴らしいシステムだと感心した。もし私が資産家なら全財産を寄付して鐘を16連打しかねない。人間の欲求をうまく刺激した恐ろしいシステムである。もしかして、本堂に通してくれたということは、お試しで私も鐘がつけたりするのかと期待したが「済まされていない人は鐘がつけない」と一蹴された。半分済んでいるのにケチ臭いことだ。あの鐘を突くために半年だけ入信しようかなと危ない考えがよぎったのだが、ヒロンが大きな鐘を突いている姿を冷静な感情で見た時「帰りに1発だけやらせてもらって別れよう」と決心した。その決心をさせてくれたことだけでも現人神には感謝せねばなるまい。
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その決心はちゃんと守られることとなり、私とヒロンは無事に別れることができた。総本山という面白い場所に連れて行ってもらったこと、総本山の帰りにラブホテルに寄ってセックスをするというなかなかできないことを体験させてくれたことでヒロンは私にとって忘れることのできない大切な女性である。どうせ短い人生、一度ぐらいは宗教に嵌っている女性とお付き合いすることをお勧めする。





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# by tsume_kirio | 2015-08-15 14:35 | 宗教 | Comments(5)

他人の為に

今年も無事に36歳の誕生日を迎えることができた。36歳という歳は、祖父が心臓病の大手術をした歳であり、当時森林組合に勤めていた父が、松くい虫除去剤の空中散布作業で、予定と全然違う森林地域に農薬を大量散布した後、得意顔で地上に戻って来るという「森間違い」をした歳である。うちの家系では間違いなく何かが起きる歳なので気をつけたい。
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色々と誕生日プレゼントを頂いたが、その中でも同僚社員にもらった盾が特に嬉しかった。古代ギリシャの戦士達が使っていたような丸型の黒い盾。重さも硬さも普通の盾と遜色の無い出来栄えで素晴らしい。家の中で盾を構えてファイティングポーズを取ってしばらく遊ぶ。あまりに気に入ってしまったので、そのうち枕元に盾を置いて寝るようになった。朝の起き抜けで仕事に行きたくない時、盾を手に取ると戦士としての気持ちが自分を奮い立たせてくれる。私は戦士だ。今日も働くぞ。
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だが戦士にも自慰は必要だ。私は盾を持ったまま自慰をすることにした。片手に盾を持っているだけなのにいつもの自慰とは何かが違う。自慰をしながら私は夢想する。私が古代ギリシャの戦士だったらば、出陣前に将軍が演説をしている最中、盾で陰部を隠し盾の裏で自慰をしていただろう。そうでもしないとこれから死地へと向かう恐怖に負けてしまう。兵を鼓舞させようと必死で演説している将軍への忠誠心、自慰に励む弱い自分を恥じる羞恥心、国と家族を守るために死を恐れずに戦おうという愛国心、色々な感情がごった煮になった私は自慰をしながら自然と泣いていた。私と同じような気持ちで盾の裏で自慰をしながら涙をこぼしていた兵士が古代ギリシャには確かに居たことを確信した。幾千年の時を経て、彼らの気持ちは自慰行為によって私の心の中に入り込んできた。意志は受け継がれた。むせび泣きながらも自慰の頂点に達した私は「うわぁぁ!」と大声で雄たけびを上げながら盾を放り投げた。そしてその手で力強くティッシュを掴み取った。これが「戦士の自慰」というものなんだろう。
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私は自慰の最中によく泣く。しかし、これまでは自分への情けなさが涙を流す主な原因だったのだが、今回のように他人の悲しみとリンクして泣いたのは初めての経験だった。これからは自分の為だけに自慰をするのではなく、歴史に埋もれてしまっている名も無き男達の気持ちとリンクしながら自慰をするのも悪くない。明日はナチス式の敬礼をしながら、本当は違うと分かっていてもヒトラーの命令に従わなければいけなかったナチス青年将校が休日に自慰をしている時の気持ちとリンクして自慰をしようと思う。
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36歳の1年間はこういう風に生きていきます。



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# by tsume_kirio | 2015-07-05 14:55 | 人生の終わり | Comments(3)

風林火山

先日、人生で初めてのボーナスをもらった。人生初のボーナスであるがゆえ、いざ大金をもらっても、どう使えば良いのか皆目見当がつかないので、ならば久しぶりに風俗遊びでも行きますかと渋谷の街に洒落込んだのだが、全く性的サービスを受けずに風俗嬢と別の遊び(ホテルの部屋でかくれんぼ、野球盤で対戦する等)を楽しんでしまう悪癖が出てしまい、家から持参したエアガンの撃ち方を杏さゆり似の風俗嬢にレクチャーする60分コースと相成った。まだぎこちないが、何とかエアガンを撃てるようになった風俗嬢の姿が映画「レオン」のマチルダの姿に重なり「これが俺にとってのレオンなんだ!」と興奮した。「その銃を俺に向けて欲しい」という私のリクエストに応え、本当に引き金を引くんじゃないかというぐらいの迫力で銃を構えた風俗嬢の美しさに見とれた私の股間は思わず勃起した。60分コースは残り5分である。「ごめん、残り5分でイかせてくれる?」という私の情けないお願いに、構えた銃をスッと下ろし「やってみるね」と微笑む彼女。銃が似合う女は良い女だという私の持論はやはり間違ってはいなかった。結果2分程度で昇天させられたが、早撃ちは銃を扱う者にとっては誉れである。

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風俗からの帰り道でかかりつけの病院に寄った。風俗の後に病院に行くか病院の後に風俗に行くか、これは意外と大事な問題なのではないかと思い、お世話になっている精神科の先生に「実はここに来る前に風俗に行ってきたのですが、診察する側の先生からすると診察前に風俗に行く奴と診察後に風俗に行く奴のどっちが嫌ですか?」と聞いたら「お元気そうで安心しました」と一刀両断された。信頼できる先生だ。その日の診察で「運転手ではない自分には止まった電車を動かすことができないように、自分の力でどうしようもできないことに直面した時に不安を感じやすくなっていますね」という精神分析をされたが、自分の人生すら思うようにコントロールできていない私は現実逃避の為に立ち寄った行きつけのオカマバーのオカマに、上記の診断結果を伝えたところ「簡単に言えば、何でも自分のやりたいようにやりたいドS野郎じゃねえか!」と散々罵倒された挙句「パニックS」というありがたいあだ名を頂戴した。中野のパニックS、ここに在り。



下手に金が有るなら、いらない電化製品でも買おうかとヤマダ電機へ。パソコンコーナーで何となくワイヤレスマウスを物色。マウスといえば、大学時代にプレイした18禁エロゲームを思い出す。そのゲームの売りは女性キャラとのHシーンで挿入時のチンコの動きをマウス操作で自由自在に操ることができるという点だった。マウスを激しく動かすと「激しくしないで・・・」挿入したままマウスを止めると「止まってないで動かしてよ・・・」と女性キャラが言ってくるという革新的システムだった。あーだこーだと様々な動きを試すのは本当に楽しかったが、そのうちコードの長さが制限されていることで自分の理想とするマウス動作ができないことに激しい苛立ちを覚えた私は、当時は非常に高価だったワイヤレスマウスを育英会奨学金を使って購入し、コードレスの広大な動作範囲を生かし、部屋の端から端までマウスを走らせて「オマンコ壊れちゃう!」と女性キャラに何度も言わせたものだ。オマンコ壊れちゃうよね。ワイヤレスだもの。このエロゲームから私が学んだことは、チンコの動かし方は武田信玄の旗印に書かれている「風林火山」の教えの通りにすることが大事だということだった。チンコも戦も、疾きこと風の如く、徐かなること林の如く、侵掠すること火の如く、動かざること山の如くなのである。当時童貞だった私は、いずれ来る童貞卒業という大一番に向けて「チンコ風林火山」の心構えを持ち続けていたが、遂に相見えた初体験の相手が車椅子の女性だったことで頓挫した。動かざること山の如しというか動けないこと山の如しという女性が相手ではどうにもならなかった。武田信玄もあてにならない。
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結局有効なボーナスの使い方を見つけられなかったので、良いことがあった人へのお祝い金でほとんど浪費してしまった。残ったお金で、最近食事をした後輩が待ち合わせ中に読んでいた乳癌にかかった女性ジャーナリストの手記を買った。闘病記のように見せかけてセックスばかりしているし、日本人は辛気臭い励ましの言葉しかくれないのでダメ、その点外人はユーモアがあって最高だというような日本批判までしているのが無茶苦茶で面白かった。特に、筆者とのセックス時に筆者の胸を愛撫する前に「まず医学的関心を持って触るからね」と言って胸に触れた男は素晴らしかった。今度風俗に行ったらこの言葉は是非使おうと思う。その為に今日も明日も働かないといけないのだ。




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# by tsume_kirio | 2015-06-24 12:52 | 人生の終わり | Comments(4)

坊主の親子

大地震等の突然の事態に備え、すぐに手が届く枕元に懐中電灯等を置いて寝ている人は多いだろう。ご多分に洩れず、私も懐中電灯に常備薬等の非常用グッズを枕元に置いて眠りについているのだが、他の方と違うのは一緒にエアガンも置いてあるということだろう。このエアガンは空き巣に襲われた時の護身用に用意してあるのではない。最近、持病である左半身の痺れが起き抜けに発症していることが多いので、その痺れた体にエアガンを撃ち込む為の物だ。痺れた身体に程よい威力でめり込むBB弾が、一日をスタートさせる「活」を私の身体に与えてくれる。徐々に痺れが取れて来たら、映画「デスペラード」のアントニオ・バンデラスのようなポーズで天井にエアガンを撃ち放つ。私の一日はこうして始まる。たまに就寝時の弾補充を忘れてしまい、弾切れを起こしたエアガンを握り締めながら自分の老いを感じることもある。単純な物忘れで老いを感じるよりも弾の入れ忘れで老いを感じるような人生をこれからも生きていきたい。
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「撃つ」といえば、最近は近所のダーツバーによく通っている。うちの職場を退職された先輩が店長を勤めているので通いやすいからだ。私は満面の笑顔を虫の裏側に似ていると言われたり、鼻の形が蛇口やステルス戦闘機に似ていると言われる容姿をしているのだが、ダーツをするのに容姿は関係なく、ダーツをする権利は全ての人間に許された平等の権利なのでダーツをしている。ブルと呼ばれるダーツの的の赤色の中心部分を狙っていると、学生時代にクラスの女子達にいじめられていた記憶がどうしても頭をよぎる。当時の私は女の子のような色白の肌をしていたのだが、鼻だけは真っ赤だった。顔の配色と位置バランスが日本の国旗に似ているということで「ジャパン」というあだ名でいじめられていた。ダーツの中心部分も赤色だなんて本当に残酷なことだ。過去のいじめを乗り越えながら、私は今夜も赤いブルを狙う。そこら辺の遊びでダーツをやっている奴とは違うのだ。
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余談になるが、ジャパンというあだ名でいじめられていた過去を、音楽家のたむらぱんの深夜ラジオに投稿したら、見事に採用され、賞品としてロッテのガム「フィッツ」をたくさん送ってくれた。そのガムのおかげで当時の食糧難を乗り越えられたので、たむらぱんは私にとって命の恩人である。私は命の恩人は決してオナニーのオカズにはしないと心に決めているので、たまに無性にたむらぱんで抜きたくなる時があるのだが必死で我慢している。
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本当の余談というのはこういう話のことだ。


「老い」といえば、地元で大きなお寺をしている親戚の坊主が交通事故に遭って死にかけたらしい。死に直面した人間は優しい気持ちになれるのか、昔に私のことを狐に憑かれた可愛そうな子供とののしっていたことをひどく悔いていたそうだ。確かに親族一同が顔を揃える法事の席で「近々この子のお払いをしたいと思います」と宣言されるようなひどい仕打ちもされたが、今となってはどうでもいいことだ。こちらとしても、大晦日の夜に除夜の鐘を突いているその坊主を、物陰からエアガンで狙撃するという悪行を重ねていたのでここはひとつお互い様ということにしてもらいたい。
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それに私に謝罪をする暇があるなら、私と同い年の自分の息子の心配をした方が良い。子供の時に一緒にお寺の境内で遊んだ時、大きめのムカデを見つけた彼は「良い物見せてあげるね」と言い、納屋から釘、金槌、包丁を取って来た。ムカデを足で踏みつけて自由を奪った彼は、ムカデの身体を包丁で真っ二つにした。ムカデは非常に生命力が強い生き物なので即死はしない。真っ二つにすると頭部も尾部のどちらも狂ったように動き回るのだ。その様子を私に見せて彼はケラケラと笑っていた。「もっと面白いの見せてあげるよ」と言った彼は、新しいムカデを見つけてきて、頭部に釘を打ち付け地面に磔にした。ムカデを抑えながら身体を包丁で細かく切っていく。尾部から頭部の近くまで切り終わった後「せーの!」で彼が手を離すと、細分化されたムカデの身体達が地面を四方八方に走り回るという地獄絵図だった。あまりの惨状に沈黙している私を見ながら「線香花火みたいで面白いよね」と言っていた男が、大人になった今、徳の高い坊主として仏前でお経を唱えているのだ。これ以上の問題があろうか。私の祖父の法事の時にお経を唱えに来た彼にこのムカデの話をしたら「そんなことはどうでもいい!」と声を荒げてきたので「坊主が人の話をさえぎっていいのか!坊主なんだから人の話は最後まで聞かないと駄目だろ!」と小競り合いをした。うちは全員お払いが必要な家系なのだ。
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# by tsume_kirio | 2015-06-12 18:58 | 人生の終わり | Comments(0)