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年配のスニーカー   

ここ最近の風俗の楽しみ方。関西出身の風俗嬢を指名し、面と向かって阪神タイガースや関西文化についての批判をすることにより、風俗嬢の機嫌を本当に悪くさせ、残りプレイ時間で仲直りをするゲームをしている。平謝りしてすぐに仲直りしてもつまらないので、制限時間ギリギリで仲直りできるように会話をコントロールする駆け引きが楽しい。仲直りをした後に「もう、こんな時間…Hなこと全然できなかったね」と謝る風俗嬢に「そんなことより仲直りできて本当によかったよ」と優しい言葉をかけると、十中八九「ありがとう…」と言うので「そこは『ありがとう』じゃなくて『おおきに』と言ってくれ」とビシッと注意する。その瞬間に学校の先生になりたいという子供の頃の夢が叶ったような気がしている。
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もう一つの楽しみ方。「入室時も含め僕がしゃべってもいいと言うまで絶対にしゃべらないように」というリクエストを店員から風俗嬢に伝える。お互いに声を発せず会話はメモ帳による筆談に限定して行う。自己紹介からシャワーへの誘いから何から何までが筆談で行われることと、風俗嬢の書く字体を見ていることに異常な興奮を覚える。プレイ中もできるだけ声を出さないようにお互いに努め、変態的なお願いを紙に書いてお願いをし、紙に「やだ」と書かれて拒絶されるというコミュニケーションが癖になる。プレイ後に「せーので一緒に声を出そう」と書き、ついにお互いの声を初めて聞いた瞬間の快感はシーチキンを食べたいと思っている時にシーチキンを食べれたぐらいの感動がある。かわいい声の風俗嬢には「俺、君の声大好きだよ!」と爽やかな台詞を送りば、酒焼けし過ぎのしゃがれ声の風俗嬢には「何言ってるか分かんねえよ!」と言いながら強く抱き締める。愛にはいろいろな形がある。


筆談から発展して、風俗嬢とこっくりさんをして遊ぶこともある。「こっくりさん、こっくりさん、彼女の性感帯はどこですか?」という質問に、僕と風俗嬢の人差し指が乗ったコインがプルプルと動き始め、導き出した答えが「あ・な・る」、ラブホテルの窓から見える空は雲ひとつ無い青空。「生」を感じた。
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中学の時、前の記事にも書いたものまね王座決定戦がある時だけうちにTVを見に来る親戚のおじさんが、夜な夜な神社で呪いの藁人形の儀式をしているという噂が流れた。周囲の大人は「あの人は頭がちょっとおかしいけど、そんなことまではしないだろう」と噂に否定的だったが、神社の裏で発情期のオス犬に自分の太ももを差し出し、太ももをメス犬だと思い込んだオス犬が激しく腰を打ちつけてくる様子を見てニヤリと笑っているおじさんを目撃したことがある僕は「あいつだ」という確信を持っていた。


真実をこの目で確かめたいという気持ちで、友人二人と呪いの現場を見に行くことにした。呪いの藁人形の儀式は、もし呪いの現場を目撃されたら、その目撃者を殺さないと自分に呪いが返ってきてしまうという言い伝えがあるので、自分達の身に危険が及ぶ可能性も重々承知だったのだが、中学生という年頃もあって好奇心の方が上回った。もしもの時の護身用としてエアガンを各自携帯し、御神木の裏の茂みに隠れて不審な人物が現れるのを待った。見張りを続けてから1週間が経っても誰も現れないので、やっぱりデマだったのかと思いはじめた日の丑三つ時にボロボロの白装束に身を包み、白のスニーカーで足元をきめた親戚のおじさんが現れた。
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やっぱり自分の親戚だったという恥ずかしさから僕の顔は真っ赤に。おもむろに藁人形を取り出したおじさんに向かって「お前が死ね!」と叫びながら全員でエアガンを発射。「ぎゃぎゃ~!」と情けない声を出しながらその場に尻餅をつく白いおじさん。最初は何が起こったのか分からず怯えた表情をしていたが、徐々にその顔は怒りの表情に変わり、釘を打つトンカチを振り上げてこちらに向かってきた。今度は僕達が「ワー!ワー!」と情けない声を上げて暗闇の中を逃げ回った。神社の入口に停めてあった自転車に乗り、これで逃げ切れると安心した瞬間、後ろから全速力で走ってくるおじさんの姿が見えた。「しまった、おじさんはスニーカーだった。」我が家の借金取りのように家の前で待っているタイプの大人には慣れていたが、追いかけてくるタイプの大人には慣れていなかったので異常な恐怖を感じた。とはいってもやっぱり自転車の速度には勝てない。おじさんの姿は徐々に見えなくなり、僕達は何とか自分達の家の近くまで逃げ切ることができた。


恐怖から逃げ切れた開放感と、今まで経験したことのない体験ができたことの高揚感で、さっきまでのことを熱っぽく話していたが、友人の「呪いの現場を目撃した僕達はこれからずっとあのおじさんに命を狙われるね」という一言で自分達の未来が終わったことに気づき暗い気持ちになった。落ち込んでいる暇も無く事件が起こきた。友人の一人が逃げている最中に家の鍵を落としてしまった。おじさんが待ち伏せしているかもしれない現場の方向に戻るのは非常に危険だったが、一つしか無い家の鍵を持ち出したことが親にばれたらどっちにしろ殺されると言うので、勇気を出して呪いの現場に戻ることにした。逆三角形の隊形を組み、恐る恐る現場に向かって前進している途中で僕達が目撃した光景は、自動販売機のベンチに座ってバヤリースオレンジを美味しそうに飲んでいる白装束のおじさんの姿だった。「走って…喉が渇いたんだね…」という友達の冷静な一言が夜に響いた。僕達の姿を見つけたおじさんは「さっきはごめんな!ちょっと怒り過ぎた!」と満面の笑顔で謝ってきた。そして謝罪の証としてバヤリースオレンジを奢ってくれた。先ほどの笑顔とは一転して大真面目な顔で「呪いをかけていた相手は不動産屋の次男坊だ」と教えてくれた。おじさんの呪いは不動産屋の次男坊に届くことはなく、呪いの跳ね返りでおじさんが死ぬこともなかった。その年の秋祭りで、呪いをかけていた人とかけられていた人が御神輿を一緒にかついでいる光景は感慨深いものがあった。
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回想が長くなったが、このおじさんのおかげで僕は呪いを恐れず生きることができ、風俗嬢とこっくりさんで遊ぶこともできるのだ。先日おじさんは死んだ。おじさんの分まで僕が長生きしよう。


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by tsume_kirio | 2014-03-08 02:08 | 人生の終わり | Comments(7)