栗田貫一と松居直美

満員電車の中で痴漢を捕まえた。満員電車ではこれぐらいの密着は仕方ないと思わせる絶妙のレベルで体を密着させ、いやらしい手つきで女性のお尻を触っていた。普通の痴漢とちょっと違っていたのは、ただお尻を触るだけでなく、同時に女性の髪の毛に顔を埋めていたところだ。それを見た時、私はこの痴漢に対して一種のシンパシーを感じた。女性の頭に顔を埋めると、頭皮と汗と使っているシャンプーの匂いがごちゃ混ぜになったその女性にしか出せない独特の匂いがするのだ。私はあの匂いが本当に大好きだ。風俗嬢の頭の匂いしか嗅いだことは無いけども。あの匂いを何かにたとえるとするなら、やよい軒のミックスとじ定食を食べた時の〆として作る雑炊。ご飯の中に卵とじのだし汁の残りと味噌汁と醤油をぶち込んでごちゃ混ぜにして作るお手製の雑炊。あれにたとえることができるだろう。一種のシンパシーを感じると供に、私が嗅ぎたくても嗅げない匂いを嗅いでいるその痴漢を許すわけにはいかなかった。同属嫌悪に近い感情でその痴漢を捕まえて駅の職員に突き出す。「こいつはお尻を触っていただけじゃなくて、髪の毛の匂いも嗅いでいた変態です」と付け加えておいた。被害者の女性から何かお礼をさせて欲しいと言われたが「そんなつもりではなかったので…」と大人の対応をしていたのだが、しつこく聞かれたので「ポータプルブルーレイプレイヤー」と思わず答えてしまった。痴漢も私もろくなもんではない。
f0245642_1502092.jpg



痴漢の風貌はものまね四天王の栗田貫一に良く似ていた。コロッケやグッチ祐三ではなく栗田貫一に似ていた所がリアルな痴漢という感じがして怖かった。ものまね四天王といえば、子供の頃にものまね王座決定戦がある時だけ我が家にTVを観に来る親戚の貧乏なおっさんが居た。一升瓶を片手にうわごとのように「笑いのコロッケ…天才清水…実力は栗田…アホのビジーフォー…」とビジーフォーをとにかく目の敵にしていた。ただのアル中かと思いきや「松居直美ちゃんはいい女…歌も上手いし…喋りも達者…顔がそこそこ美人というのもすごく良い…美人は飽きるけど直美ちゃんの顔は飽きない…」と女性に対する正しい審美眼を持っていた。その言葉に影響されたのかは分からないが、松居直美で抜きまくっていた時期があった。高校受験の2日前の日に松居直美で抜いたことはハッキリと覚えている。受験前日に誰で抜いたのかを覚えていないのに2日前の松居直美を覚えているということからも松居直美の凄さが証明されている。
f0245642_150529.jpg
f0245642_1514411.jpg


そのおっさんから他に教わったことといえば、障害者が優先的に利用できる多目的トイレの利用方法で「このトイレは障害者の人しか使えないけど…障害者のモノマネをしてトイレをすれば大丈夫…どうしてもウンコが漏れそうな時はそうやってこのトイレを使うんだよ…これが生きる知恵だよ…」というおっさんの言葉を鵜呑みにした僕は、多目的トイレに「ニンガニンガ…」と奇声を発しながら入ったり、監視カメラで撮影されていることを意識し、トイレ内でも障害者風の変な動きを心がけて用を足していた。INも障害者ならOUTも障害者で無いと意味が無いので、トイレ退出時も奇声を発したり、体中にトイレットペーパーの切れ端を付けて出たりした。そしてトイレからかなり離れた場所で健常者に戻っていた。映画「ユージュアル・サスペクツ」のラストでカイザー・ソゼの引きずっている足が徐々に普通の歩き方に戻っていくシーンとほぼ同じである。けっこう大人になるまでこの言葉を信じていたおかげで大恥をかいた。そのおっさんが最近亡くなった。その一報を受けた時「ちゃんと死ぬべき人が死んだな」と思った。

もうひとつ多目的トイレについてどうでもいい話があって、高校生の時に多目的トイレでよくセックスをしていたという女性が「あの時は周りが見えていなかった」という一言だけで反省を済ませていてすごく可愛かった。女の子は可愛い。



[PR]
by tsume_kirio | 2014-02-23 01:59 | 人生の終わり | Comments(4)