僕らの音楽   

車椅子の女性との初体験を済ませる大学二年の夏よりちょっと前の春の出来事。大学一年の時に学校でもバイト先のちゃんぽん屋でも友達が出来ないという危機に陥っていた僕は、学校とバイト以外の自由時間はオナニーとプレイステーションの「蒼天の白き神の座」という登山ゲームに時間を費やしていた。このゲームは本格的な登山シュミレーションゲームであり、説明をするよりも実際にプレイしてもらった方が分かるのだけど、非常にシビアな内容になっており、たとえば高度障害を防ぐために標高2000m付近にしばらく滞在して高度に順応させてから3000m付近まで登頂、再び3000mに高度順応…という手順を踏まないと重度の高度障害になってしまうなど設定がとにかく細かいゲームだった。凍傷や滑落での死亡の危険も常につきまとうし、どれだけ慎重に登山を進めても突然の雪崩で今まで育て上げた精鋭の登山隊員が全滅してしまうというようなゲームだった。僕のそのゲームの楽しみ方は「だ・れ・に・し・よ・う・か・な」のくじ引きで登山隊員の中から生贄を一人決めて、その隊員に人間が持てるはずのない重量のテントや食料を持たせて頂上に向けて一人でアタックをさせ、ノロノロと歩くその隊員の体力が徐々に低下して死んでいく様子を、The Doorsの「The End」が大音量でリピート再生される部屋の中でお菓子を食べながら見ているのが好きだった。あとは登山隊を全員女性だけで編成して、山のふもとには行くのだけれど全く頂上を目指さずにベースキャンプで食料が無くなるまで過ごし、その間に女性隊員全員とセックスをしている妄想をしてオナニーをして過ごした。

そんな悶々とした日々を過ごしていた僕にも友達が出来た。大学二年の体育の授業で一緒になった福岡出身の男。彼の家は地元で昔から力を持っていた豪族の子孫だったそうなのだが、明治時代から急速な没落をして、今は犬のブリーダーを営んでいるとのことだった。同じ嘘つきとしてのシンパシーが僕達を急速に近づけた。そんな彼から学食で面白い話を聞いた。「外人は寝る時にパンツをはかないで寝る習慣があるらしかっちゃん。そいきん寝てる間ずっと亀頭の先が布団で刺激されるっちゃね。だけん外人はチンコが大きくなるっちゃ」彼からその話を聞いた時に僕は思った。「この話は理にかなっている」

その日の夜から早速僕は全裸で寝ることにした。全裸で寝るなんて初めてなので少しドキドキした。寝る前に仮性包茎の自分のチンコの皮をむいて就寝。万に一つの可能性として、寝ている間にウンコを漏らして布団が汚れたら困るのでサランラップを手でくしゃくしゃにして丸めた物をケツに挟んで寝た。タオルを敷いて寝ても僕は寝相が悪いのでタオルの位置がずれるし、ティッシュを丸めた物はちょっとした寝返りでケツから外れてしまうのだ。サランラップは見事に何度も寝返りを打ってもケツから外れないベストの材質だった。しかし、肝心のチンコの皮が、皮を剥いてもすぐに元の皮かむりの状態に戻ってしまうという問題が発生した。

もう少し僕の話を聞いてください。

包茎手術をするための金も無かったし、もし最初からそのつもりならサランラップをケツに挟んだりはしない。まずは皮がむけている習慣付けをしようと思って、自分の部屋に居る間は常に下半身は裸で、片手で皮が剥けた状態をキープするようにした。1時間交代で手を交代すれば良い腕の筋トレにもなると思ったのだ。でもこれだとゲームや漫画などの日常生活がままならない。何より部屋に居る時間よりも学校とバイトの時間の方が長いのだからあまり意味が無いと思った。そこでどこに居ても常に剥けている状態を作ることにした。まずは毛糸でチンコの皮がむけた所で縛った。毛糸なので最後は可愛く蝶々結びで結んだりなんかして遊んだがすぐに解けた。それならばと普通の縫い物に使う糸を使ったが皮膚に食い込む痛さに耐え切れずに断念。園芸用の針金は皮はしっかりと留まったのだけど、ちょっとした反動で皮が傷ついて流血したので断念。チンコに巻いた針金はプロレスで使われる有刺鉄線バットのようで少し綺麗だった。ならばと今度は輪ゴムで留めてみた。なかなか良い感じだったのだが2~3時間後に亀頭がどどめ色に変色したので諦めた。

何かで皮を固定するのは諦めて皮を接着するしかないと思った。皮を剥いた後にその皮の部分にスティックのりを大量に付けて指で押さえたまま乾燥させること2時間程度。晴れてカチンコチンに固定されたズル剥けチンコが出来上がったのであった。これで元に戻ろうとする皮の力をある程度抑えることができた。しかしさすがにスティックのりでは効果が薄く半日もすると皮は元に戻ってしまった。間にボンドでのチャレンジを挟んだ後に僕は覚悟を決めてアロンアルファで皮を固定した。なんという接着能力。ついに僕は完成形のチンコを手に入れた。大学で1時間目から6時間目まで授業を受けた後もズル剥け。体育の授業で激しい運動をした後もズル剥け。バイト上がりもズル剥け。寝る前も朝起きた時も相も変わらずズル剥け。接着剤の影響でちょっとチンコが痒くなってきた時はチンコをお湯に付けて接着剤を取ってリラックスさせてあげる生活が続いた。

1週間後に亀頭に原因不明のブツブツが大量に発生する性病みたいなのになった。病院に行った時に、医者に適当な嘘をついてこのブツブツが一生治らないことになったら嫌だと思って、今まで書いたような過程を正直に話した。その時の医者の眼を僕は忘れることは無いだろう。今まで書いたようなチンコの改造手術をしている時も常に僕の部屋にはThe Doorsの「The End」が流れていた。

今回言いたかったことは僕はThe Doorsがとても好きであり、The Doors好きで知られる村上春樹の新作がそろそろ発売だということです。村上春樹の新作を読んでいる時に、僕のチンコのことが少しでもあなたの頭をよぎりますように。
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by tsume_kirio | 2013-04-10 19:00 | チンコ | Comments(5)

Commented by ポコチン at 2013-04-11 10:28 x
「もう少し僕の話を聞いてください。」が絶妙のタイミングだよ。
Commented by tsume_kirio at 2013-04-11 23:16
高い絵を売りつける詐欺業者の女と一年間メル友だった時の彼女の勧誘メールからこのタイミングを学びました。これからもよろしくお願いします。
Commented by momlm at 2013-08-30 01:36 x
天才だ
Commented by tsume_kirio at 2013-09-06 23:53
>momlmさん
ありがとうございます。天才ではないです。嘘つきです。
Commented by Kin at 2014-11-19 16:39 x
えっ、ウソなの⁈ まっイイです。げっふぉ、げっふぉ、笑ったから。なし水の入手方法があったら教えて下さい。探しましたがわかりません。

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