味覚から墓場へ

味覚を失ってから、担当医から指示された亜鉛摂取や薬物治療を根気強く続けたものの、味覚はいっこうに戻る気配が無かった。味覚障害を併発する病気として糖尿病や脳梗塞の検査も受けたが、その兆候は無し。乱れた日常生活の改善、主に食生活と充分な睡眠時間の確保、常用している薬の断薬など色々と試してはみたが、どれも目に見える効果は無かった。自分では結構頑張っているつもりだったが、担当医の目から見ると、本気で味覚を取り戻そうという気迫が、私から全く感じられないとのことで「自然に味覚が戻るというより、自分で味覚を取り戻すんだという強い気持ちがあなたには必要ですね」とやんわりと説教された。ここはファイトを見せる時だと「夏までに味を取り戻します」と力強い決意表明をしたが「味を取り戻したら夏が来る」の方が風流な感じがしたので言い直した。元サッカー日本代表北澤豪によく似た担当医は黙って私のことを睨んでいた。
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味覚障害について自分なりに色々と調べてみると「味覚を失ってから最初の一ヶ月で少しでも回復が見られない場合、二度と味覚が戻らない可能性が高い」というおそろしいデータがあった。もし、このまま味覚が戻らなかった時、この先の人生をどう生きていくのかを改めて考えてみたが、どれだけ考えてもウンコを食べて生きていくしかなかった。味がしないことを武器に、ウンコを山盛り食べれるスカトロ専門の男として各分野で重宝されるしかない。ウンコを食べて巨万の富を得る。その為には、残っている嗅覚が邪魔となるので「自分で嗅覚を無くす手術とかってあるんですかね?」と担当医に相談すると「何を考えているんですか?自暴自棄になってる?」と心配されたので、上述したウンコのくだりを説明したところ「あなたと同じように味覚障害で苦しんでいる人達をバカにしてますよ。もう罪ですよ」と怒られてしまった。「味を失ってもなお罪を犯す」江戸時代から続く、一族の男が全員前科者という呪われた家系の私にしかできない偉業である。
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味覚を失ってからも、行きつけの蕎麦屋には変わらず通っていた。蕎麦屋のおばちゃんから「いつもは美味しそうに食べてるのに、最近は全然だね」と怒られた。味覚を失ったことを正直に伝えようかとも思ったが、ババアに余計な心配をかけるのは大人の男のすることではないので「余計なこと言わないで、俺の為だけに蕎麦を作ってなさいよ」と毒づいたら、ババアはほっぺを少し赤くしていた。たぶん濡れただろう。「味を失うも、ババアを濡らす」これも偉業である。また、行きつけのオカマバーのオカマ達から「味が全くしないのに、普段の食事は楽しめてるの?」と心配された。オカマに余計な心配をかけるのは大人の男のすることではないので「食べ物の触感や食材の色で視覚的に楽しんだりできてるから大丈夫だよ」と少し虚勢を張ったところ「色と触感で楽しむなんて下着泥棒と基準が一緒じゃないの!このド変態野郎!」と罵られてしまった。味を失っても、ちっとも優しくしてくれない。それが一番嬉しいことなのだけれども。
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味覚を失うのとほぼ時を同じくして、小銭稼ぎの為に、親戚の中学三年生男子の家庭教師を始めた。顔がプロレスラーの田中将斗によく似ていて素直な子だ。両親が共働きということで、両親不在時の面倒も合わせてみることとなった。家庭教師のアルバイト経験は過去にもあったので、以前と同じく、勉強は全く教えずにやる気を出させることのみに重点を置く授業スタイルにした。最初の授業にて「勉強をしないとただのバカにしか思われないが、ちゃんと勉強して知識を付けた上で、あえてバカなことをして生きる方が同じバカでも格好良いバカになれるよ。だからとりあえず勉強をしようか」という宗教的な授業でバイト代の三千円をもらった。その金で帰りにエロDVDを買った。正しい金の使い方をした。
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その後も、課外授業という名のもとにプロレス観戦に連れて行ったり、プロ野球選手名鑑であまり有名じゃない選手の顔写真を見て年棒を当てる授業、狩猟民族の狩りの動画の鑑賞会、ゲーセンで生徒に二千円を渡し、生徒がその二千円をどう使うのかを観察するといった完全に私の暇つぶしに付き合わせていたら、最初は従順だった生徒も徐々に私に反旗を翻すようになってきた。ある日の授業で、いろはす桃を飲んでいる私に対し「味覚障害で味がしないのに、いろはすの桃を飲んでるのはおかしい。値段が安い普通のいろはすを飲めば経済的で良いのに!」と生意気なことを言ってきたので「たとえ味がしなくても、先生は桃を愛しているから桃を選ぶんだ。いろはす百二十円、いろはす桃百五十円、その差はたった三十円、このたった三十円の差が先生と君の差であり、本当にわずかだけどこの差は一生埋まらない!」と凄んだ。人生は甘くないぞ。
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やがて味覚を失ってから二ヶ月が過ぎた。担当医も、もはや打つ手なしといった諦めムードだったので、ネットで見かけたオカルト処方を試すことにした。風邪を引いた時に神経をやられて味覚を失う人がたまにいるのだが、その逆で味覚を取り戻す人もごく少数いるらしいのだ。「そういうわけで、わざと風邪を引いてみていいですか?」と担当医に相談したところ「狙って風邪を引くなんてできるんですか?」と小馬鹿にされたので「私は大人なので大丈夫です」と答えた。水風呂に長時間浸かり、体をろくに拭かずにそのまま全裸で寝ることを三日間続けたら、見事に近年稀にみる酷い症状の風邪を引くことができた。大人は何だってできる。そして、漫画のような話だが、私は味覚を無事に取り戻すことができた。鼻やら喉やらの口周りの神経を刺激したのが良かったのか、その理由は医者にも分からない。ただ、これは一時的な回復かもしれず、また味覚を失う恐れも高いそうだ。そんな先の不安はどうでもいい。そんなことよりも、久しぶりに私が味を感じた食べ物がスコールという乳性炭酸飲料だったことの方が素晴らしいじゃないか。
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そんなこんなでようやく味覚を取り戻したのだが、本当に色々あり、長年続けてきた仕事を急遽辞めることになった。「味を取り戻し、職を失う」中国の故事成語のような話である。相変わらず、何かを得れば何かを失う人生だ。そんな人生の岐路に立ちつつも、家庭教師へと向かう。授業後に、なんとなく生徒を公園に連れ出した。百均ショップで買った折り紙で、生徒に紙飛行機を作らせる。生徒が飛ばす紙飛行機を私がエアガンで撃ち落とすという無職っぽい遊びを繰り返しながら「同じ形の飛行機は作るなよ」とか「ずっと一機ずつ飛ばしてもつまらない、二機、三機と飛ばして変化もつけなきゃダメだ」と人生を楽しくするヒントを教えるのも忘れない。そして頃合いをみて「先生な、仕事辞めたんだ、無職なんだ」と告白したら、生徒はしばらく黙った後「次は僕に撃たせて」とエアガンを奪おうとしたので「ダメだ!」と断った。怒りながらも、「職は失ったが、俺にはこの子がいる。この子を本気で育ててみよう」と心に誓った。
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帰宅途中、近所の墓場に立ち寄った。子供の頃はよく墓場で遊んだものだ。うちは貧乏だったのでおもちゃをあまり買ってもらえなかった。そんな私が編み出した遊びが、墓場の墓石に書いてある故人の名前、年齢、家族構成から、その人がどんな人生を歩んだのかを頭の中で妄想して遊ぶというものだった。墓場のような怖い場所には、学校のいじめっこ達も来なかったので居心地も良かった。かっこいい音楽を見つけた時なんかは、それを誰かに教えるのが恥ずかしかったので、放課後に墓石に向かってその歌を歌い、安らかに眠る死者にオススメの音楽を一方的に教えるというレイプ行為をよくしていた。あの時、私が墓石に向かって大声で歌ったイエモンの「悲しきASIAN BOY」が時を越えて蘇る。来月はイエモンの復活コンサートに行かないと。職を失ったぐらいで落ち込んでばかりもいられない。ある本に「男には自分を甘やかす場所として酒場、死を常に間近に感じる為に墓場が必要だ」と書いてあったが、私には墓場だけで充分のようだ。もう一度墓場から人生をはじめよう。そしていつかこの墓場にあの生徒を連れてくる。


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# by tsume_kirio | 2016-06-28 17:48 | 人生の終わり | Trackback | Comments(8)

さよなら味覚

突然でなんだが、ストレスで味覚を失ってしまった。本当の理由がストレスかどうかは分からないが、なんでもかんでもストレスのせいにしておくのが、この世の中の平和を保つ手段のような気がしているので、そうさせていただく。

そんな感じで味覚をやられて落ち込んでいる私に、一時の安らぎをくれたのは隣に住んでいる大家のババアだった。このブログでもよく書いているが、私は大家に大変気に入られている。気に入られているというより惚れられている。私の顔を見ただけで大家のほっぺがリンゴのように真っ赤に染まるのだから、その惚れ具合たるや恐ろしいものがある。昔懐かしい恋愛ゲーム「ときめきメモリアル」で主人公に完全に惚れている状態の女性キャラのほっぺのようだ。ちなみに、大家はフルメイクの時は元m-floのLISAによく似た西海岸風のセクシーババアなのだが、ノーメイクだと日本プロボクシング協会の大橋秀行会長にそっくりである。そういう所はすごく可愛いと思う。
 
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そんな大家から「貴方のお部屋、この冬は過ごしやすかった?」と聞かれたので「ちょっと床が冷たくて大変でした」と正直に答えたら「貴方の部屋を床暖房にしてあげたい」というありがたい言葉を頂いた。「そんな特別扱いをしてもらったら他の住人の方に悪い」と丁重にお断りしたところ「それならこのアパートの全部の部屋を床暖房にするから」と豪気なことを言ってくれた。さすが大橋会長。さて、床暖房とは少し違う話になるが、ホットカーペットの上でオナニーをする時、オナニー開始と同時に電源を入れておくと、オナニーの盛り上がりに合わせ、徐々に床が暖まってくるので、まるで自分のオナニーが凍てつく大地に春のぬくもりを運んで来たかのような奇跡を感じれてとても良い。さらに、座禅を組んで行えば、悟りを開いたブッダになったかのような神々しい気持ちになれて、なおオススメである。



ブッダのつもりでオナニーを続けていたら、神の逆鱗に触れたらしく、味覚を完全に失ってしまった。ここ最近、食事を口に入れてから、実際に味がするまでに数分かかるという状態が続いていたのだが、ついに何を食べても全く味がしなくなった。医者が言うには、ストレスやら脳の病気の可能性やらが原因として考えられるそうだ。医者から味覚障害を宣告された時は、味覚を失った代わりに超能力でも手に入れてはいないかと思い、映画「スキャナーズ」のように頭を大爆発させてやろうと、テイ・トウワ似の医者に向かって悪しき念を送り続けていたら「そんなに悲しまなくて大丈夫、必ず治りますよ」と心配される始末だった。自分を殺そうとしていた相手に優しい言葉をかけてくれてありがたい。帰宅してからは、味覚を失った代わりに性感帯が敏感になっていないかを確認する為にオナニーをした。いつも通りのオナニーであることを確かに確認した。私は「確認」の為にオナニーをします。
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味覚を失ったことで多少は苦労するかと思ったが、今のところそれほど辛くはない。よくよく考えてみたら「食」に対してそれほどこだわりがない人生を送ってきた私にとって、味覚は特に必要ない物なのかもしれない。飲食店にて、ソコソコのお金を払うぐらいで、見ず知らずの自分に対して注文通りの料理を出してくれるだけでありがたいことだと感謝している。食べ物が出てくるだけまだマシだと思えば何でも美味しい。ただ、この前に中華料理屋にて、炒飯を頼んだのに焼きそばが運ばれて来た時、店内がお客でごった返していたので、作り直させるのも悪いなと思い、黙って焼きそばを食べていたら、間違いに気づいた中国人店員に「炒飯と焼きそばは全然違うのに、あなたはなぜ食べたのですか?」と詰問された。世界は一つになれない。



味覚を無くして得をしていることもある。触覚と嗅覚は残っている為、肌触りや匂いが苦手な食べ物はさすがに無理なのだが、味が苦手だった物は何でも食べれるようになった。豆類にビールに紅茶に生魚・・・今まで食べれなかった物をモリモリ食べれることが楽しくて、味覚障害になってからの方が食欲旺盛になった。おかげさまで「味覚障害なのに体重がさらに増加してデブ」という有様である。ただ、回転寿司に行った時は、全く味がしない寿司達がひたすら自分に向かって迫って来る光景が少し怖かった。
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味覚を失ったことを内緒にして誰かとご飯を食べるのも楽しい。食事で一番大事な「味」が欠けているのを隠して、食事の席を楽しい場として成り立たせることは、プロレスラーが試合を成り立たせる為に奮闘するのに似ている。私は大好きなプロレスラーにはなれなかったが、会食という場所で私なりのプロレスをしているのだ。それは本当に幸せなことだ。あと、味がしようがしまいが、自分が好きな人と食べる飯は楽しいし、自分が好きなお店で食べる飯は楽しい。そのことを再確認できたのも良かった。



実は最近給料が上がったので、仕事上がりに久しぶりに風俗に行くことにした。受付にて、スマートフォンでガーネットクロウのボーカルの写真を見せ「この子に似た女の子居ますか?」といつも通りの質問をしたらば「できるだけ近い女の子を派遣します」と約束してくれたのだが、ホテルに訪ねて来たのは「女姿三四郎」と謳われたソウルオリンピック柔道銅メダリスト山口香似の風俗嬢であった。
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風俗では、最初にイソジンでお互いにうがいをして口を消毒をする。その時に口の中に広がるイソジンの風味で、風俗に来たことを改めて実感するのだが、味覚を失った今の私には、そのイソジンの味を感じることができない。それはとても悲しいことだった。風俗では、Hなサービスを受けるよりも、かくれんぼやプロレスごっこなどの別のことをして遊ぶ方が好きなのだが、今回に限っては、味覚を失った代わりに、私の身体に新たな性感帯が目覚めているかもしれないので、女姿三四郎に丁寧な全身リップをお願いして細部までくまなくチェックをしたのだが、新しい快感はどこにも目覚めていなかった。無念だ。



プレイ時間も少なくなり他愛もない世間話をしている時に、自分が味覚障害であることを正直に話した。そして恥を忍んで「遊びじゃない本気のキスをしてください、もしかしたらそれで味覚障害が治るかもしれない」と頼み込んだ。彼女は困惑した表情を見せたが「俺は本気のキスにオプションサービス代を払える」という私の熱意に負けて、先ほどとは比べ物にならない熱い熱いキスをしてくれた。彼女の本気をしっかりと受け止めた私は、颯爽とベッドから降り立ち、ラブホテル備え付けの冷蔵庫で販売しているジュースを飲み干してから「治った!」と満面の笑顔で彼女に言った。彼女は引きつった笑顔で「良かったね~」とパチパチと拍手をしてくれた。もちろん味覚障害は治っていない。でもそんなことはたいした問題じゃないのだ。
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味覚を失った私はこうやって生きていきます。



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# by tsume_kirio | 2016-04-25 23:16 | 人生の終わり | Trackback | Comments(8)

ビヨンド・ザ・タイム

新年早々、近所に住んでいる不眠症の元カノと出くわしてしまった。彼女とは七年近く同棲した付き合いである。七年ともなると、良いことも悪いことも含め、本当に色々なことがあったが、今となっては全てが良い思い出だ。ただ、私と別れた後に過眠症の音楽家の男と付き合ったことだけは許さない。眠れない女が眠り過ぎる男と付き合うとは何事だ。メルヘンか。よく眠る音楽家の男とは何者だ。メルヘンだ。貴様が睡眠薬を断薬した時の禁断症状中に私にした「パワフルな動きで家事をしないで!」という無茶なリクエストに応えて、音を立てないようにサイレントな家事をしていた私の頑張りを忘れたのか。
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いざ顔を合わせたからといっても、取り立てて話したいことなどは何も無く「今年は年賀状をどれだけもらったか?」というどうでも良い話題になり、私が眼鏡屋からもらった1通だけで、彼女は質屋からもらった1通だけだった。これ以上話をしても、お互いの将来が不安になるだけなので「amazonに頼んでるAVがそろそろ届くから帰るね」と言い放ち、手を振って別れた。
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AVの話になったついでに書くが、私は「顔射」という行為が余り好きではない。女性の顔に精子をぶっかけることに罪悪感を覚えるというような真っ当な理由ではなく、大学時代に付き合った彼女から受けたトラウマがその理由である。彼女は「襖や障子の敷居は絶対に踏んではいけない」「朝は5時に起きてお祈りをする」というような教えのカルト宗教に嵌っていた上にヤリマンという手のつけられない女だった。
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ある時、海上自衛隊員3人と4Pをしていたことがバレたにも関わらず「女は海を知っている男に弱いの」と全く悪びれた様子を見せない彼女に対し、いつもは嫌がってさせてくれない顔射をさせてもらうことで手打ちにするという工業哀歌バレーボーイズ的な罰を与えることにした。私の精子を顔でしっかりと受け止めた彼女は、空ろな目でしばらくぼんやりとした後「現人神様・・・私・・・試されるのね・・・」とポツリと呟いた。顔射をされることすら「宗教上の試練」と受け止める彼女への恐怖で私は顔射を嫌いになった。
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そんなわけで顔射への恐怖感はいまだにあるのだが、昔に見たAVの顔射シーンで、ナイキのロゴマークそっくりに射精した男優が「これ…これ…これ…あ…ああん…名前言っちゃ…マズイけど…有名な会社の…マークで…出ちゃったよ…」と言った奇跡の顔射シーンだけは素晴らしかった。シコっていた手を思わず止めて拍手をしたのをよく覚えている。今年もそんな素敵なAVに出会いたい。いや、必ず出会ってみせる。
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毎年恒例の一大新年行事として「新年最初のオナニーは誰をオカズにするのか?」という問題は、常に私の頭を悩ませてきた。原点回帰を旗印に敬愛する小野真弓をオカズにした年もあった。私の溢れる性欲が日本神話の世界まで脅かし、掛け軸に描かれた天照大神で抜いた年もあった。手塚治虫の「火の鳥」を女性に見立てて抜くという迷走を見せた年もあったが、果たして、今年はいったい誰で抜いたのか。
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昨年末、私がハマっていたのは日本赤軍の重信房子のような美人女性犯罪者で抜くことと、スーパーで売っている野菜に貼ってある「この野菜は私達が作りました」ということを証明する生産者シールに写っている純朴な農家の嫁で抜くということだった。年が明けてもその流れは変わることはなく、正月から「犯罪者か、農家か」という、おそらく今まで人類で誰も悩んだことがないであろう二択に私は頭を悩ませたが、重信房子の天使の微笑みに負けた私は、新年早々犯罪者でオナニーをすることに決めたのだった。犯罪者をオカズにするような男になってしまい、ここまで育ててくれた親族には本当に申し訳ないと思っているが、親族のほとんどが前科者なので仕方ない。
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「正月にふさわしい女性犯罪者」を探そうと一念発起し、美人犯罪者の検索に躍起になっていた私の前に恐ろしいサイトが現れた。その名は「arrests.org」である。このサイトはアメリカの公式サイトであり、TOPに表示されているアメリカ地図の州をクリックすると、その州で逮捕された犯罪者の逮捕時の顔写真がリアルタイムでどんどんアップされるというものだ。これだけでも充分面白いのに、様々なタグ検索で犯罪者を絞り込むこともできるようになっている。各州の最新画面から「Tagged」→「Hotties(セクシーな女性)」で検索すると、美人犯罪者を抽出できる。まさに私の為にあるタグではないか。他にも「Beat up(殴られて顔が腫れている人)」や「Hunks(イケメン)」等で検索をして楽しむこともできるので興味のある方は色々試してみると良い。
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私は、色々な州を回りHotties検索で美人な外国人女性犯罪者を探しまくった。何名かの美人犯罪者をリストアップした後、厳正なる審査の上、テキサス州のマーガレットで抜いた。犯罪者で抜くという罪だけでなく、自分が日本人であるという誇りを忘れ、新年から外国人女性で抜くという罪まで私は犯してしまったのだ。しかし、私の心には何の後悔もなかった。マーガレットはそれだけの女なのだから。本当にマーガレットは良い女だよ。
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マーガレットで果てたしばらく後、何気なく更新ボタンを押してみると、新しい犯罪者の写真がアップロードされているのを目の当たりにした私は「この世から犯罪が無くなることなんて絶対に無いんだ」というこの世の現実を悟り、ただ涙を流した。アメリカで産まれた悲しみは海を越え、下半身丸出しの日本人男性の感情を揺さぶった。この瞬間だけでも世界は一つなのかもしれない。しかし、絶対に変えることのできない悲しい現実はたくさんある。それなら徹底的に毎日を楽しむしかない。そう決心した私はフロリダ州のクリスタで抜くことにした。マーガレットからクリスタへ、クリスタからナタリーへ、ナタリーからジェシカへ。ジェシカから未来へ。



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# by tsume_kirio | 2016-02-12 07:38 | 人生の終わり | Trackback | Comments(6)

愛は元気です

アパートの家賃が下がってから、少しだけ生活が楽になった。家賃が下がった理由は、アパートの立地的条件が悪くなったとかそういうものではなく、隣に住んでいる大家のババアに私が気に入られているというただそれだけの理由である。大家は60歳を越えたババアなのだが、90年代に活躍した女性歌手の谷村有美によく似た顔立ちをしていて妙な色気を持っている。昔、谷村有美でしか抜いていなかった時期があるぐらいに谷村有美のことが好きな私も大家のことが正直好きだ。そんな大家が毎朝アパートの共同部分の掃除や、ゴミ捨て場に無造作に捨てられたゴミの分別を大変そうにしているのを見かけたので、時間がある時は大家に代わって私がするようにしていたら、アパートの更新時にそれをちゃんと見ていた大家が家賃を大幅に下げてくれたのだ。
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大家の私への愛は家賃だけでは終わらなかった。自分の過失でアパートの鍵を無くしてしまった私は、防犯の為に新しい鍵を自己負担で付け直すことを大家に報告しに行った。そうすると「アパートの為にいろいろしてくれているあなたにお金は払わせないわよ」と鍵の取付費用を大家が全額負担してくれることになった。お金を出してもらう関係で鍵の取付には大家も立ち会ったのだが、その時に鍵屋が出した何種類かの鍵の中から一番安いのを選ぼうとした私に対し「人にお金を出してもらう時に遠慮をするのはとても失礼なことなのよ。それなら出さないでくださいと最初から断りなさい。出してもらうのなら一番高いのを選びなさい。私に恥をかかせないで」とかっこいい言葉を投げかけてくれた。その瞬間だけババアが聖闘士星矢のアテナに見えた。その結果、私の家の鍵は世界でも屈指の防犯能力を持つヨーロッパの会社の鍵になってしまった。
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以上のように、大家はパトロンに近い支援を私にしてくれているので、こちらとしても「抱いて」と言われたら、いつでも抱ける心構えはしているし「家賃分腰を振りなさい」と大家にしか言えないエロリクエストをしてきたら58000回腰を振る準備はできているのだが、幸か不幸か今のところそのようなイベントは起きていない。大家は子供に先立たれたので孫も居なくて寂しいとか言っていたので、それならいっそ私を養子にしてくれないかとも思っているのだが、仮に私を養子にした場合、普通の結婚を諦めている私は、タイの孤児院の子供を養子に迎え、その子をキックボクサーにするつもりなので、せっかくできた待望の孫がタイ人という地獄を大家には味合わせたくないので養子だけにはならないようにしたいと思う。
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家賃が下がったそんな我が家に遊びに来た友人が、私のitunesの再生回数TOP25を調べるという悪趣味なことをしたら、再生回数ダントツ1位の曲が「カリフォルニア」という曲だった。いったいどんな曲だと試聴してみた友人から「曲名がカリフォルニアで、サビでもカリフォルニア~♪と歌っているような曲をこんなに聴いているお前が自殺しないか心配だ」とよく分からない心配をされたのだが、再生回数2位の曲が「WALK」なのまで見せられたら、確かに死を予感させる何かを自分に感じた。結論を言えば、私も友人も自殺しないか心配である。
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実は最近転勤をしたのだが、転勤してかなり太った。太った原因は仕事のストレスからの食べ過ぎである。そのストレスが顔に出ているのかは知らないが、最近いろいろな人に自殺を心配されるので、激痩せしてもっと心配させてやろうという悪意と、そろそろ痩せようと思っていた決意も重なり、久しぶりにダイエットを開始した。前述したストレスにより職場での休憩時間にバカ食いをしてしまう為、まずはそこを抑えることにした。とは言っても、意志が弱い私では長続きはしないだろうから、ちょっとしたゲーム感覚で食欲を抑えることにした。幸いにも、私の職場には、社員しか知らない感電スポットが何個かあるので、食欲が高まった時はそこに手を突っ込み、軽く感電をすることで食欲をかき消すことに成功した。大仁田厚の電流爆破デスマッチをあれだけ否定していた私が、大仁田と同じように電流に助けられるのだから人生とは皮肉なものである。
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プチ感電ダイエットの効果で順調に体重は落ちていったのだが、こんなに毎日感電していたら、瓶に浸した猛毒を長年突き続けることで拳に毒を宿す毒手拳の理論でいけば、そのうち私の右手には電流が宿り、その電流を自由自在にコントロールできるかもしれないという考えが頭をもたげるようになった。それからはダイエットの為ではなく電流拳の完成の為に来る日も来る日も感電し続けたのだが、仮に電流拳を会得したとしても、相手に触れないと電流を流せないし、自分が電流を流したことも簡単にバレてしまうので使い勝手が非常に悪い。そうなるとオナニー中にちょっとだけ電流を流してチンコをピリピリさせるピリピリオナニーをプライベートで楽しむか、風俗にて、風俗嬢に「ちょっとピリッとするよ?」と言ってから電流手マンを炸裂させて驚かすということぐらいしか使い道がないことに気づいて私はひどく落ち込んだ。
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落ち込んでばかりもいられないので前向きに考えることにした。どうせなら若くて活きのいいマンコに電流を流すよりも、ババアのマンコに電流を流した方が健康に良いかもしれない。腰痛治療として腰に電気を流す治療と同じようなもんだろうと私は捉えた。それならば、いつもお世話になっている前述の大家のババアのマンコに電流を流してあげよう。いきなり自分のマンコに電流を流された大家はどんな顔をするのだろうか。一回びっくりした後に、風街ろまんのジャケットの大瀧詠一のような顔をしそうな気がする。あんな顔されたら本気で惚れてしまいそうだ。そんなことを夢想しながら今日も明日も私は感電し続ける。それが私にとってのカリフォルニアなのだ。たぶん。
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# by tsume_kirio | 2015-10-09 18:54 | 人生の終わり | Trackback | Comments(8)

その辺の問題

「どうして俺は働いているんだ」と自問自答しながらも、なんだかんだで今日も働いている。ただ、いつでも辞める覚悟だけはできているので、カバンの中には常に辞表を忍ばせてある。日付の欄だけ空白にしてあるので、いざ提出となった時は提出日だけ記入すれば30秒で完成する優れ物である。退職理由については、素直に「もう飽きた」と書きたい所だが、一応社会人らしい理由にする為「体力の限界、気力も無くなり、退職することとなりました」と、天下の大横綱である千代の富士の引退理由を使わせて頂いている。
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今の職場で働いていて辛いことと言えば、夏場に外から侵入してくるセミへの対処である。虫が大嫌いな私にとっては悪魔の襲来であるので、バイトとのミーティング時は「セミが出た場合はあなた達を見捨てます」と、昨今の政治家にも見習って欲しい明確さで自分の意志を打ち出している。セミが出た場合は、先ほどの宣言通り事務所内に閉じこもり、ドアの下から三千円をスッと差し出し「あとはよろしくね」という大人の対応を取る。さっきまで「助けてくださいよ!ひどいですよ!」とドアをノックしていたバイトが「頑張ります!」と力強い声でセミに立ち向かっていく。私はバイトとセミの戦いを監視カメラで見守りながら、安全な事務所内のパソコンでソリティアを遊ぶ。これが社会人だ。俺はここまでのし上がったのだ。
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セミの襲来より嫌なのが、会社から年に一回の受診を義務付けられている健康診断である。病院に行くこと自体は嫌いというより好きな性質なのだが、どうにもこうにも採血検査が苦手なのである。私が軽い先端恐怖症というのもあるが、少しの時間でも注射針という異物が自分の体内に入っている感覚が、とにかく気持ち悪い。単純な痛みではなく精神的な理由なので始末におえない。
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今年の採血検査も大変だった。まずは担当の看護婦さんの名札をチェックしたら「藤田」と苗字しか書いていなかったので、すぐに下の名前の「由美子」を聞き出す。自分の血を抜く人間の名は下の名前まで知っておきたい。戦国時代、自分の首を切られる前に、相手の名前を聞いてから心置きなく首を切られた戦国武将と同じ心意気である。そして問診へ。「藤田さんは僕で今日何人目の採血なのか」「単純に採血は得意なのか」「看護婦何年目か」「今日の藤田さんのバイオリズムはいかがですか」と矢継ぎ早に質問を投げかけ、藤田さんという人のことを少しでも知って信頼関係を築く。その上で「いざ!」と気合を入れてから採血へ。「セミのあの尖った口で採血されないで・・・ちゃんと注射針で採血してもらえるだけ・・・僕は幸せ者ですよね」と言っているうちに無事に採血は終わった。映画「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」で、主人公の少年が満天の星空を眺めながら「人工衛星に乗せられて死んだライカ犬より、僕のほうがまだ幸せだ」と言う場面があるのだが、あの時の少年の気持ちが私にはよく分かる。私には何でも分かる。
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何とか採血に強くなれないか色々と考えてみた。自分だけ血を抜かれるという不公平さが嫌なので、私の血を抜く看護婦も、私と同時に血を抜かれるというシステムを取ってくれないものか。そうだ、もう一人看護婦を呼んでもらおう。いや、せっかくもう一人看護婦が来るのなら、その看護婦に私の手を採血中ずっと握っていてもらいたい。いや、男は手を握ってもらうぐらいで勇気なんぞ出ない。最悪フェラチオ、出来るなら挿入させては頂けないものか。私が体内に注射針を入れられるのと同じタイミングで、私もチンコを口か女性器の中に挿入できれば、立場的にイーブンな状態なので心の平静を保てそうだ。掛け声は「いっせーの!」で。だが、看護婦は天使では無いのでそんなことはしてくれないだろう。そうなるとこっそりと採血中にオナホールを装着するしかない。その場合はせめてものエチケットとしてオナホールに病院の十字マークを貼っておくことにしよう。
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勤務中にこんなことばかり考えてるうちに、そんなこんなで今の職場で働き出してから三年目の夏が終わった。私がセミ退治を強要したおかげでバイトが辞めたわけではなく、単純な人手不足でほとんどの時間を職場で過ごした夏だった。仕事以外では家で筋トレを始めた。リラックスした環境で筋トレを行う為に、筋トレ中は部屋でお香を焚いていた。私はスクワットが嫌いなので、何とか楽しくスクワットをできないかと考えた結果、全裸になり、床に置いたお香焚きの上でスクワットをすることで、筋肉を鍛えると同時に陰部に当たるお香の煙で、己のチンコとアナルを良い匂いにするという一石二鳥のオリジナルスクワットを開発した。
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アナル周辺から良い匂いがすることは自分への自信につながる。自信が付いたら誰かに自慢したくなる。良い匂いのチンコとアナルを自慢できる相手は風俗嬢しかいない。私は風俗街に繰り出した。いつものように「ガーネット・クロウのボーカルによく似た女の子居ませんか?」とリクエストしたがあえなく撃沈。岩崎ひろみによく似た風俗嬢に事情を説明すると、話の分かる女の子で「嗅ぐ!嗅ぐ!」と彼女は私の陰部にボスッと顔をうずめた。そして「すごく良い匂いだよ!」とはしゃいでくれた。「この匂いすごく好き!私も買おうかな・・・なんて名前のお香?」と聞かれたので「・・・・・・ヒマラヤ」と答えた。私に続いて彼女も「ヒマラヤ・・・・・・」と言った。風俗のプレイ中に「ヒマラヤ」という単語が2回出たのは史上初ではないか。ひとしきり匂いを楽しんだ後、私のチンコを口でくわえこんだ彼女は、素晴らしい舌技で私を攻めた後に「良い匂いがしてもしなくてもチンコはチンコだね!」と言った。すごく深い言葉だ。この夏一番の素敵な言葉頂きました。
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そんな2015年の夏だった。ここ最近、私が自殺するんじゃないかと心配してくれる人が多いのだが、プロレスラーは死んじゃいけないのでプロレスファンも死んじゃいけないのだ。だから私は死なない。


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# by tsume_kirio | 2015-09-11 08:54 | 仕事 | Trackback | Comments(3)